いまもと歯科だより Vol.5 2026年11月号 〜入れ歯のお手入れ、正しくできていますか?〜
こんにちは。福岡県みやま市のいまもと歯科、院長の今本です。
秋の食事を楽しむためにも、毎日使う入れ歯を清潔に保ちたいですね。「水で流すだけ」「洗浄剤につけるだけ」になっていませんか? 今月は、取り外し式の入れ歯のお手入れを紹介します。
基本は、入れ歯を外してブラシで洗い、入れ歯用洗浄剤も使うこと。さらに、お口の清掃と定期チェックを組み合わせましょう。[1–3]
なぜ、入れ歯にも毎日の清掃が必要?
入れ歯には、食べかすだけでなく、細菌などが集まった汚れ(デンチャープラーク)が付着します。清掃が不十分だと、口臭や、入れ歯の下の粘膜の炎症などにつながります。入れ歯とお口の両方を清潔に保つことが大切です。[1,2]
毎日のお手入れ、3つのポイント
1.入れ歯を外し、ブラシでやさしく洗う
入れ歯を外して、入れ歯用ブラシなどで汚れを落とします。人工の歯の部分だけでなく、歯ぐきに触れる内側も丁寧に洗いましょう。部分入れ歯の留め具などは、無理な力を加えずに清掃してください。
落として破損しないよう、水を張った洗面器の上で洗うと安心です。研磨剤入りの歯みがき粉や強いこすり洗いは避け、入れ歯に適した清掃用品を使いましょう。[1,3]
2.入れ歯用洗浄剤を使い、装着前によくすすぐ
ブラシ洗いに加えて、入れ歯用洗浄剤を使いましょう。洗浄剤は口の中では使わず、外した入れ歯に使用します。水の量、温度、つける時間は、製品の説明に従ってください。「長くつけるほどよい」とは限りません。 装着前には、洗浄剤が残らないよう十分にすすぎます。[2,3]
熱湯は使わないでください。また、金属や柔らかい裏打ち材など、入れ歯の材質に対応した製品かどうか確認しましょう。分からないときは、入れ歯と使用中の洗浄剤を診療時にお見せください。[3]
3.就寝時の取り外し・保管方法も確認する
通常は就寝時に入れ歯を外し、歯ぐきなどの粘膜を休ませます。一般的な入れ歯は、清掃後、水中で保管します。洗浄剤に保管する場合も、製品ごとの使用時間を守ってください。[1,3]
ただし、お口の状態によっては就寝時の扱いが異なります。取り外しや保管について歯科医師から個別の指示がある方は、その方法を優先してください。[1]
お口の清掃と定期チェックも忘れずに
部分入れ歯をお使いの方は、残っている歯、とくに入れ歯の留め具がかかる歯も丁寧に磨きましょう。総入れ歯の方も、歯ぐきや舌など、お口の清潔を保つ必要があります。清掃方法はお口の状態に合わせてご相談ください。[1]
また、痛みがなくても、入れ歯の適合やかみ合わせは変化することがあります。定期的に、入れ歯の状態とお口の粘膜、残っている歯を確認しましょう。受診の間隔は、お口の状態に合わせて相談してください。[1,3]
痛い、外れやすい、かみにくいなどの変化があれば、定期チェックの日を待たずにご相談ください。
院長より
毎日使う入れ歯だからこそ、お手入れの方法に迷うこともあると思います。「この洗浄剤でいい?」「寝るときはどうしたらいい?」といった疑問も、どうぞお気軽にお聞かせください。ご自身のお口と入れ歯に合ったケアを、一緒に確認していきましょう。
専門的な歯科医療を、患者さんにわかりやすく。
参考資料
[1]日本補綴歯科学会.有床義歯補綴診療のガイドライン(2009改訂版).「維持管理」pp.14–15(PDF内15–16ページ).https://www.hotetsu.com/s/doc/plate_denture_guideline.pdf
[2]日本義歯ケア学会.義歯ケアに関する解説.2014.「デンチャープラークコントロール」「義歯洗浄剤」「義歯用ブラシと義歯洗浄剤の併用」.https://www.jdenturecare.com/_userdata/guideline/consumer.pdf
[3]Felton D, et al. Evidence-Based Guidelines for the Care and Maintenance of Complete Dentures: A Publication of the American College of Prosthodontists. J Prosthodont. 2011;20 Suppl 1:S1–S12. doi:10.1111/j.1532-849X.2010.00683.x. https://www.prosthodontics.org/assets/1/7/7._JOP_Denture_Care_Guidelines_Supplement1.pdf
※取り外し式の入れ歯についての一般的な情報です。材質やお口の状態に応じた個別の指示がある場合は、そちらに従ってください。














